動物別症例集
ハリネズミは高齢になると口腔内腫瘍の発生率が増加するとされています。
ハリネズミの口腔内腫瘍には扁平上皮癌や悪性黒色腫、骨肉腫など悪性のものも多く報告されています。
症状としては、無症状から始まり、腫瘍が大きくなるにつれて採食困難、口腔出血、流涎や歯の脱落などの症状が見られます。
腫瘍の診断には細胞を顕微鏡で確認する検査(細胞診)が必要になるのですが、丸まってしまう子の場合は鎮静や麻酔をかけなければ検査ができないこともあります。
鎮静や麻酔には多少なりともリスクが伴われるので、本人の体調をよく見ながら実施することが重要です。
腫瘍の種類にもよりますが、内科的な抗がん剤や消炎剤での治療、もしくは外科的な切除やレーザーメスでの蒸発等が治療の中心になることが多いです。
丸まって顔を隠してしまい症状を見逃しやすいハリネズミですが、変わった様子があれば早めにご相談いただき、早期発見につなげていきましょう。